外国産の生き物を野山に放さない<日本の自然を守るために>

飼えなくなったクワガタ、カブトムシはどうしていますか?日本産の虫なら、採集した地域であればそのまま野外へ放すのもいいでしょう。でもそれが外国産の虫だったら・・・?「かわいそうだから」で取った行動が思わぬ事態を引き起こします。
1991年11月以後、農作物に害を及ぼさない昆虫の輸入が部分的に解禁され、現在かなりの数の外国産の虫たちを簡単に手に入れることができるようになりました。 憧れの虫に実際に触れることができる喜びとひきかえに、そこに大きな危険がはらんでいることを忘れないようにしましょう。

<生態系への影響>

放虫によりもともと日本にいる虫のエサを外国産の虫たちが奪ってしまう可能性や、遺伝子汚染の可能性があります。放虫による生態系への影響は決して見逃せない問題です。 飼っているクワガタ・カブトを野外へ放すのは絶対にやめましょう。外国産の虫を飼う人たちのモラルが今こそ問われているのです。

もちろん、モラルの低い人たちだけの問題でなく、放す気はなくとも知らない間に逃げられてしまった場合なども同様です。外国産のクワガタ、カブトムシを飼うということは、同じように日本産の虫も大切に思う心が必要、ということでしょう。

特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)が平成17年に施行されました。これには放虫による問題が深く関わっています。特定外来生物に指定されたものは飼育・輸入・譲渡などが法律によって禁止され、飼育すること自体が処罰の対象となってしまいます。 今のところ、クワガタ・カブトムシ類については特定外来生物に指定されている種はありませんが、今後の状況によっては指定されることもないとは言い切れません。故にこの放虫問題は、非常に大きな問題となる要素をはらんでいるのです。

いちど飼い始めた虫は絶対野外に放さない
これを必ず守りましょう。みなさんのお心がけひとつで、たくさんの日本の虫たちが救われます。ご協力をよろしくお願い申し上げます。