
「マット飼育」はクワガタムシ・カブトムシの基本的な飼育方法のひとつで、いちばん一般的なものです。しかしひとくちに「マット」と言っても、目的や用途別・製造方法別にさまざまな種類のものが販売されています。例えば、ホームセンターなどで夏場に売っているマットはほとんどが成虫飼育用です。それをそのままで幼虫飼育に使うことはできないんです。そこで、ここでは「マット」の種類や目的に応じた選び方などをご紹介していきたいと思います。 |

「マット」という呼び方は、もともと成虫用の寝床として開発されたものの名称であったものが、いつの間にか粉状のものを総称して「マット」と呼ぶようになったところからきているようです。 「マット」は基本的に、クワガタ・カブトが好む朽ち木を粉砕して粉状にしたものを言います。 「マット=えさ」という表現に違和感を感じる方も多いかもしれませんね。それは、昆虫用のマットといえば成虫飼育用のマット(床敷用マット)が一般的なため、「えさと言えば蜜やゼリーだろう!」と思ってしまうからでしょう。 「マット=えさ」であるマットとは幼虫飼育用のマットを指します。弊社では「えさ用マット」と呼んで区別しています。 マットを用途別・製造方法別に分けて分類してみました。下図をご参照下さい。 ※一般的に「発酵マット」というのは、二次発酵マットのことです |

そうですね。たくさん種類がある上に、よく似た名前の商品ばかりでわかりにくいですね。 「マット」を選ぶには、まずどういった目的でマットが必要なのかを明確にする必要があります。下記の表にまとめてみましたのでご参照下さい。 ![]() 一番大事なのは、飼育しようとしている虫の生態をしっかりと把握すること・・・!これが重要です。 備えあれば憂いなし!事前にしっかり調べておきましょう。お店でよくわかる担当者に尋ねてみるのもいい方法です。この機会に自分に合ったお店を見つけてみませんか。 |

「菌糸ビン」と「えさ用マット」はどちらもクワガタムシ幼虫を育てるための「えさ」です。 それではどちらを選べばいいのかというと、それは目的や虫の種類によって自分で判断するという事になります。 例えば、菌糸ビン適合種(オオクワガタなど)では、大きく育てたいなら「菌糸ビン」、安全にコストを抑えて育てたいなら「えさ用マット」で飼育すると言われています。また、クワガタムシでも菌糸ビン飼育に向かない種というのが存在しますし、カブトムシも菌糸ビン飼育には適しません。そういった種を飼育する場合は「えさ用マット」を選択することになります。 「菌糸ビン」は、クワガタムシ(主にオオクワガタ)を大きく育てることができるアイテムとして登場しました。天然オオクワガタが希少で採集するのが非常に難しくなっている中でも、比較的安価に手に入れることができるようになったのは、菌糸ビンがブリーダーさん達の間に普及したおかげでしょう。極太や80mmオーバーのオオクワガタも菌糸ビンがなければ存在しなかったかもしれません。 ただ、やはり「えさ用マット」に比べるとコストが高くなるのは避けられないという面もあります。また、「菌糸ビン」が適している種を選ぶのに対して、「えさ用マット」はクワガタ・カブトムシ全般に適応し、オールマイティに育てることができます。そのかわり、菌糸ビンのように大型のものはあまり期待できません。 どちらにもお互いにない魅力があります。ご自分の目的に応じ、賢く選んでクワカブ幼虫飼育をおおいに楽しんでくださいね。 |

「菌糸ビン」の頁でも触れましたが、クワガタ幼虫飼育は、材飼育→マット飼育→菌糸ビン飼育と進化してきました。 進化するとそれまでのものは廃れていくものですが、材飼育もマット飼育もそれぞれの良さがあり、現在も多くの皆さんがとられている飼育方法となっています。 そして最近では、マット飼育を選択される方が徐々に増加傾向にあるように思われます。フォーテックでも現在発売中の「カブト1番」をはじめ、新しい「えさ用マット」の開発に積極的に取り組んでおり、目的別・種類別に選択できる「えさ用マット」を皆さまにご提供できるよう、研究を重ねています。 かつて菌糸ビンが発明されたように、今までにない飼育方法がこれから発見されることもあるかもしれません。 今後もよりいっそう方向性をしっかり見極め、クワカブ幼虫飼育の根底を支えていきたいと願っています。 |
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